介護職は、仕事を続けながら資格を取得することによりキャリアアップできます。排泄や移乗などの介助に関わるには、介護職員初任者研修や介護福祉士実務者研修といった介護資格が必要で、こうした民間資格を取って介護現場で実務経験を重ねれば、介護福祉士という国家資格の受験資格を得られるのです。介護福祉士になれば、現場のリーダー的立場に立って介護スタッフを指導できるほか、サービス管理者や施設長などの地位に就きやすくなるでしょう。また、介護福祉士として一定期間実務経験を経ると、特定処遇改善加算の対象になり、大幅な賃金アップを期待できます。

さらに、介護福祉士は、看護師等と同様にケアマネジャーの受験資格を得られます。ケアマネジャーという国家資格を取得すると、介助業務から離れ、介護相談やケアプランの作成といったデスクワークに専念できるのです。それから、介護福祉士の上級資格として、認定介護福祉士が挙げられます。認定介護福祉士は、介護の専門的なスキルだけでなく、サービス管理能力や人材マネジメントの技術を身につけられるでしょう。さらに、介護スキルに加え、医療ケアの技能を習得する資格もキャリアアップに役立ちます。

喀痰吸引等研修は、喀痰の吸引や経管栄養など本来医療従事者にしか認められていない医療行為に関われる資格です。医療介護福祉士も、チーム医療に貢献できる介護福祉士という資格として注目されています。この資格を得れば、慢性期医療や救急処置における介護の専門スキルを習得でき、介護現場だけでなく医療機関でも活躍できるでしょう。